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Poesie et Musique 3

日曜は約一年ぶりにFlying Booksに戻ってきた、鳥越さやかさんとロバート・ハリスさん、ピアニストの豊島裕子さんによるイベント「Poesie et Musique」の第3回目。
超満員の中、ロバート・ハリスさんが渋い歌声で紡ぐイーグルスの「Desperado」で幕を開け、シャンソンのみならず、フレンチポップ、ジャズ、ボサノヴァなど全14曲の幅広いレパートリーを、ソロやデュエット、リーディングとのセッションなどのバリエーションでお届けしました。
f0024665_35329.jpg鳥越さんは、師であるパトリック・ヌジェさんとの先月のジョイントライブを経て、2年前にシンガーとしての本格的なキャリアをスタートしたばかりというのが信じられないほどスケールと安定感が増し、ハリスさんも数十年ぶりに人前で歌ったという2月の渋谷SPUMAでのライブから見違えるほど表現の幅が広がっていたようです。また、10月に初のピアノソロCD「茄子の花」をリリースしたばかりの豊島さん作曲による谷川俊太郎さん公認のオリジナル曲「やわらかいいのち」は今回が初披露。使われている言葉こそやさしいものの、奥深い意味を持つ詩(副題は思春期心身症と呼ばれる少年少女たちに)を、切なく美しいメロディに載せた歌と朗読を交互にした構成で、これからもっともっと多くの人の耳に届けたいマスター・ピースが誕生しました。
以前、ハリスさんがホストを勤めたクラブイベントの常連の面々が集まったり、若き友人の誕生日のサプライズがあったり、盛り沢山の楽しく暖かなひと時でした。
いらして下さったお客様はもちろん、出演者やスタッフ、素敵な夜を作ってくれたすべての方々に感謝です!
「Poesie et Musique 3」SET LIST
前半
1:Desperado (リーディング~歌 by Robert feat.Sayaka)
2:いつ帰ってくるの? (by Sayaka)
3:La javanaise (by Sayaka & Robert)
4:幸せな愛などない (リーディング by Robert ~ 歌 by Sayaka)
5:Ce n'est que de l'eau (by Sayaka & Robert)
6:やわらかいいのち(オリジナル曲 谷川俊太郎作詞 by Sayaka)
後半
7:枯葉 (リーディング~歌 by Sayaka)
8:What a wonderful world (by Robert)
9:アイビー(「茄子の花」より Piano solo by Hiroko Toyoshima)
10:you'd so nice to come home (by Sayaka and Robert)
11:Le mal aime (by Sayaka feat. Robert)
12:Avec le tems (リーディング by Robert ~ 歌 by Sayaka)
アンコール
13:Love me tender (by Sayaka and Robert)
14:Neme quite pae (リーディング by Robert ~ 歌 by Sayaka)

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自然界からの便りが音になりました・・・
豊島裕子CD・ピアノ曲集『茄子の花』
(定価2,000円  品番sizen001 2006年10月発売)
「タイトルは意外だが中身はグレードの高い正統派、さまざまな音楽を通り抜け、
良いエッセンスが詰まってる」(シンガーソングライター・いまむら瞭)
Flying Booksにも近日入荷予定。
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by flying-books | 2006-11-28 01:22 | EVENT@FB

Flying Buzz Vol.4発行しました

今年の春からほぼ2ヶ月に1号ずつ発行しているフリーペーパー「Flying Buzz」の4号が完成しました。

カバーは絵本作家として有名なグラフィック・デザイナー、レオ・レオニがアート・ディレクションをしていた頃の『FORTUNE』誌。今も続いている世界で最も有名な経済誌ですが、レオニの手にかかるとファンタジー溢れる絵本のような装丁になります。
エッセイは9月末から10月頭にかけて10年ぶりに訪れた上海の古本市の模様と毛沢東時代のプロパガンダ・ポスターについて。
制作中のビート・ジェネレーションの書誌からは50~60年代に新たなシーンを築き上げたアンダー・グラウンドの文芸誌「リトルマガジン」について。
以上、フリーペーパーならではのマニアックな内容に仕上がってます。

Flying Books店頭のほか、恵比寿のタワーカフェ、ギャラリー/ショップのGround 2、渋谷並木橋の立ち飲みバー:キミドリ、青山ブックセンター本店で手に入ります。また近日中に渋谷のギャラリー・コンシール、ワイアードカフェ、タワーブックス、等でも配布予定です。
500部限定なのでお早めに。

f0024665_2345267.jpgFlying Buzz Vol.4

1:Flying Buzz Pick Up Selection 4 :
「FORUNE」1949.10-1956.12 by Leo Lionni

2:在上海的古書探求 ~Book hunting in Shnghai~

3:Pieces of Beat Books vol.3 :「リトルマガジン」

4:information




*創刊号で書いたように、次の第5号で一旦休刊させていただきます。休刊号は「幻のサイケデリック・ポスター」特集号。これまでより、版型も部数も拡大版になる予定です!

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by flying-books | 2006-11-23 23:50 | Flying Buzz

「SPUTNIK : whole life catalogue」野村訓市さんインタビュー(Flying Buzz vol.3より)

2000年秋、史上初の人工衛星(1957年)と同じ「SPUTNIK」と言う名の真っ黒な雑誌が出版された。
「whole life catalogue」と銘打ったこの大判のカタログ誌に集められたのは物ではなく、80の自由な生き方。ライフとは何かに焦点を当て、人口衛星的な視点で世界を見渡し、あらゆるジャンルからインディペンデントで自由な生き方をしている人が選ばれた。自分自身の生き方を求め、その経験を皆と分かち合う人のために編集されたこの雑誌の編集長であり、自身インタビュアーと世界を飛び回った野村訓市さんに話を聞いた。

----「SPUTNIK : whole life catalogue」(以下「SPUTNIK」)を作ったきっかけは?
f0024665_442711.jpg野村訓市さん(以下N):きっかけは長い旅行から帰ってきて、最初にやったことがsputnikというまぁ海の家でした。僕が26の時のことで、コンセプトはtravelling without moving =移動せずに旅をする、ということ。このときにお金を貸してくれたのがイデーの代表だった黒崎さんで、海が終わった後に「何かいけてる雑誌をつくってみないか?」といわれ、流行の先端をいくようなものは自分には作れないが、こういうものは?として提示したのが「SPUTNIK」だった。

----「SPUTNIK」は「Whole Earth Catalog」から着想を得たと聞きましたが、どんな部分にインスパイアされましたか?
N:本にまつわることに関してズブのド素人である自分が作るのだったら、どういう本を今自身が必要としているか?って考えた時に、様々な活動をする人たちがどうやってものを学び、どのようなきっかけで人生を築いたのかが知りたかった。それをどう表すか?どう分類するか?って考えたときに生きるために必要なことを動詞で分類してから提示した「Whole Earth Catalog」のフォーマットで人の人生、行き方を表せないかって考え作ったのが「SPUTNIK」。だからインスパイアというかもうメチャクチャ影響を受けている。

----「Whole Earth Catalog」との出会いは?
N:旅をしているときに(「Whole Earth Catalog」を)持っている人に聞いて。

----「Whole Earth Catalog」が目指した、本当に知りたい情報にアクセスするという試みはインターネットの世界で実現可能になりつつあると思いますが……。
N:なっては来ているんだと思う。昔は見たい情報、本を探すためには、実際に本を買って調べたり、そのような情報網を持つ人と知り合わなければ難しかったら。ただすぐに情報にアクセスできるぶん、それまでの過程とかがすっ飛ばされてるのかな?とも思う。どれが正しい情報で、欲しい情報なのか、かえって分かりにくくなったというか。

---- 「Whole Earth Catalog」が現在にもたらしたものとは?
N:Access to toolという言葉が全てを表してると思う。

---- 今後の展開は?
N:今まで通り自分の興味のあることを自分のペースでやっていきたい。もちろん本も作りたいと思っているし。今は情報があり過ぎて埋もれてしまっている素晴らしい人や作品が沢山ある。それをいかに分かり易く、人に提示していくか?それによって自分も生き易い環境になると思うし。リミットを設けることなく自然にダラダラとって感じですかね。
(メール・インタビュー 2006/7)

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SPUTNIK : whole life catalogue
野村訓市(編)ほか
2000, イデー株式会社 ¥1,500

野村訓市 
73年東京生まれ。世界各国のクリエイター86人を旅しながらインタビューをした「SPUTNIK : whole life catalogue]を発刊。その後も湘南でのsputnik運営、雑誌ブルータスやリラックス等で企画、編集、執筆を手掛ける。ブルースウェバー展のプロデュースからナイキ等のイベント、CDの監修までその活動は多岐にわたる。現tripster所属。
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by flying-books | 2006-11-20 00:56 | Flying Buzz

世界でたった一つの古本シャンデリア

南青山で開かれているALEXANDER LEE CHANGの展示会に行ってきました。会場に入ると視線は上に向きっぱなし。アパレルの展示会ながら、今回の個人的なメインは天井を飾っているエクステンション、ファブリック、ぬいぐるみ等さまざまな素材による賑やかで楽しいシャンデリアの数々なのでした。
中でも一番見たかったのが20kgにも及ぶ古本とキャンドル、ランプで作られたシャンデリア。「Michelle Smith」と名付けられた世界でただ一つの古本シャンデリアは、前世紀初頭の英語の本や、ハングルの絵本から、日本の小説、ウルトラマンの本まで、年代、国籍を問わない絶妙なセレクトで構成されています。
アーティストのキム・ソンヘさんの新旧、清濁を絶妙にブレンドする感性がコンパクトに封じ込められた携帯ストラップなどのアクセサリーも必見、他にもお菓子とおもちゃでデコレートされたクリスマス・ツリーが印象深かっただけに、この後12月に原宿ラフォーレで実現するスワロフスキーとのコラボレーションも楽しみです。

シャンデリアのことばかり書いてしまいましたが、ナチュラルで手触りのいいファブリックと、やわらかいラインが印象深いメインのコレクションも見逃せません!
そしてプロ・スケーターでもあるデザイナーのリー・チャンさんをはじめ、スタッフの方も来ているお客さんもフレンドリーで暖かく素敵な展示会でした。

港区南青山5-17-12 1F&2F CHANG Co.,LTD.  03-3409-9889
11月9日まで (18:30~21:00)
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写真は「Michelle Smith」とアーティストのキム・ソンヘさん
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by flying-books | 2006-11-07 23:56 | ART

Whole Earth Catalogとその周辺(Flying Buzz vol.3より)

前号のFlying Buzzで取り上げた「Whole Earth Catalog」。Flying Booksでの展示も好評の内に先日終了させていただきました。「Flying Buzz vol.3」の内容を数回に分けて紹介します。

------------以下、Flying Buzz vol.3より------------

Whole Earth Catalog
f0024665_23302330.jpg60年代後半、ヒッピーをはじめとする既存の文明化社会に疑問を抱く若者達によるムーブメントは「カウンター・カルチャー(対抗文化)」と呼ばれ、アメリカの西海岸を発端に、全世界的に広がっていった。当時、そんな若者達のバイブルと呼ばれたのがWhole Earth Catalogである。
1968年にスチュワート・ブランドによって出版されたこのカタログ誌は商品を売るための一般のカタログとは違い、若者たちに新しいライフスタイルを提案するという画期的なものだった。「Access to Tools」をコンセプトにセレクトされたモノたちは、自給自足を営むヒッピーのために原始的な生活の手段を紹介したものから、パソコンの基になるコンピュータ・テクノロジーの紹介、精神世界のガイドといったものまで、まさに当時の若者たちが描いていたイメージをデザインしたものばかり。また常に最新の情報にアクセスできるということを念頭に置き、何度もアップデートを繰り返した。その精神は80年代に入ってからも「CoEvolution」「Whole Earth Review」「Whole Earth Magazine」という季刊誌にかたちを変えても継続されている。
現在では、Millennium Whole Earth Catalogを最後に更新をストップしてしまったが、当時のWhole Earth Catalogに記載されていたような希少な情報も、インターネットを通じて簡単に手に入れることが可能になった。誰もが自分の欲するモノや情報を手にすることができるようになり、Whole Earth Catalogが担っていた機能はすでに果たされているのかもしれない。しかし、インターネット上に分散した莫大な情報は何かを以て「選ばれた」わけではない。Whole Earth Catalogというフィルター、1つのメディアから発信された思想や精神にこそ大きな価値があるのではないだろうか。

f0024665_23304734.jpgスチュワート・ブランド
Whole Earth Catalog初代編集長。若かりし頃には『カッコーの巣の上で』で有名な作家のケン・キージーらとLSDをばらまきながらアメリカ中を放浪していた生粋のヒッピーである。その後、Whole Earthという壮大なプロジェクトのもとに、カタログ誌Whole Earth Catalogを出版し、一躍カウンター・カルチャーの英雄になった。早くにハイテクノロジーの可能性に注目し、Whole Software Catalog、先駆的なネットワーク・スペース「WELL」を立ち上げる。現在は、一万年の規模で時を刻む時計をつくるプロジェクトや、文明のアーカイブを構築するプロジェクトを運営。遙か未来の人類社会に向けて標を指し示すべく活動している。
(ロング・ナウ:http://www.longnow.org/  ロング・ベッツ:http://www.longbets.org/)
メディアラボ(絶版)
スチュアート・ブランド(著)室謙二(共訳)
1988、福武書店

f0024665_233158.jpgスティーブ・ジョブス
Macintosh、iPodなどで知られるApple Computer社のCEO(最高経営責任者)。70年代初め、ジョブスはWhole Earth Catalogを片手にキャンパスを徘徊し、中退後はインドへ放浪に出るなどヒッピーのような生活を送っていた。最近のスピーチでも「Stay Hungry, Stay Foo- lish.」というWhole Earth Catalogからの言葉を引用し、このカタログ誌が人生に多大な影響を与えたと語るなど、そのフリークぶりが有名だ。
スティーブ・ジョブズ 偶像復活
ジェフリー・S.ヤング(共著)井口耕二(訳)
2005、東洋経済新報社 ¥2,310

f0024665_233118100.jpgバックミンスター・フラー
スチュワート・ブランドがWhole Earth Catal ogの生みの親なら、その核となる思想の生みの親がバックミンスター・フラーと言えるだろう。発明家、思想家、建築家、数学者、工学者などの肩書きを持ち、ジオデシック・ドーム(フラードーム)、シナジー幾何学などで有名なフラーは20世紀のレオナルド・ダ・ヴィンチと称されている。地球を宇宙に浮かぶ1つの宇宙船に例え、人類をはじめとするその乗組員が生存可能な環境を持続していかなくてはならないという「宇宙船地球号」の考え方を唱えた。世の中に対してエコロジーや持続可能な社会を考える大きなヒントを与え、Whole Earth Catalogの体系にもその思想が色濃く反映されている。
宇宙船地球号操縦マニュアル
バックミンスター・フラー(著)芹沢高志(訳)
2000、筑摩書房 ¥945
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by flying-books | 2006-11-02 23:36 | Flying Buzz