カテゴリ:BOOKS( 14 )

南の島から さわやかな恋の便り

少し前に原田マハさんの出版記念会にお邪魔しました。
原田さんとは以前別の仕事でご一緒して以来のお付き合いなのですが、処女作「カフーを待ちわびて」がなんと宝島社とエイベックス主催の日本ラブストーリー大賞第一回受賞作となったのです。
f0024665_23263920.jpg純粋なラブストーリーを読んだのは本当に久しぶりでしたが、とても素敵なストーリーに心が洗われました。
また恋愛というだけではなく、島の開発と絡んだ小さなコミュニティの人間模様や、おばあと幸の噛み合ってないようでしっかり噛み合っているやりとり、いろいろな要素が絡みあって、時にはあたたかな気持ちに、時にはハラハラさせられ、本当に楽しく一気に読み終えてしまいました。
(最近、電車の中でしか本を読んでいないのですが、時間を作って、古ぼけた喫茶店でも読みました。好きな作品は、慌しく読んでしまうともったいないので、読むシチュエーションにもこだわりたくなります。)
好きなシーンなどはいくらでも書けそうですが、まだ読んでいない人のためにそれはまたあらためて。

f0024665_23321695.jpg出版記念会は作品を基にした朗読劇や、沖縄民謡のユニット「kotobuki」のミニライブもあり、多方面で活躍する原田さんらしく、華やかで楽しいパーティーでした。
ちなみに「カフーを待ちわびて」は2007年公開予定で映画化もされます。南の島の美しい景色と、それに負けないくらい魅力的な島の人々の映像を見られる日が楽しみです。
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by flying-books | 2006-05-07 23:39 | BOOKS

寺山修司、幻の映画

「これは大都会の片隅の公衆便所を中心とした悪の詩集です。」
表紙に鉛筆書きでこう記された原稿用紙7枚ほどの企画書があります。寺山修司がグレタ・ガルボら出演の名作映画「グランドホテル」の公衆便所版と位置づけた映画「トイレット」は、何らかの理由で制作されなかった幻の作品。ジャン・コクトーは同様にポエジーとして数々の美しい映画を撮ってきましたが、こちらは誰もが日々利用する生活空間を通して、よりラディカルかつユーモアに現代社会の暗部をえぐり出そうとしていたようです。
f0024665_240471.jpgまた寺山は企画意図として、こう綴ってます。
「現代人の孤立は、必ずしも政治的救済のみによって解消されるとは思われません。だれもが『はなしかける』相手を必要としていて、その媒介手段として性の問題が論議されています。
この作品ではコミュニケーションの風俗と欲望の飢餓状況を、日常的な現実と空想的な現実との交差する時点でとらえ、『トイレット』をめぐるいくつかのエピソードを通して、現代人の内なる時代閉塞の打開に向おうとするものです。(中略) 同性愛の問題、スカトロジー(糞便学)の問題(ラブレーの「ガルガンチュア」のようにユーモラスな扱いとして)政治の問題、好奇心の問題、落書の問題、変装癖、手淫、タブーとされてきたさまざまのモチーフを、詩的に処理しながら折りこみ、現代人の深層部をえぐりだしたいというのが狙いです。」
書かれたのは70年代前半~半ばと思われますが、アンダーグラウンドの底辺から虎視眈々と世間を驚かそうとしていた詩人の視点は死しても今なおその鋭さを失っていないように思えます。
新宿二丁目の公衆便所を舞台とし、男娼の便所掃除夫、「ゴッホ」という名の落書き魔、ロシア革命史を読むために便所にこもる者等が繰り広げるというこのストーリーが、もし実際に制作されていれば、寺山修司監督・脚本、加納典明ほか撮影、片山健美術、J.A.シーザー音楽らくせ者揃いのスタッフの下、天井桟敷はもちろん、丸山(美輪)明宏、麿赤児、萩原朔美等豪華メンバーの出演で行われるとのことでした。
この寺山修司肉筆企画書はゴールデンウィーク(4/27~5/9)にFlying Booksが出店する東急百貨店のイベントで展示・販売予定です。(鉛筆書・400字詰寺山専用原稿用紙7枚・¥420,000)

f0024665_2385987.jpg荒木経惟らが1971年に結成した「複写集団ゲリバラ5」の第一弾、高瀬芳夫による便所の写真のみで構成され、限定1000部で発行された幻の写真集『便所』(1973年・¥73,500)。企画書の中で寺山はこの写真集についても触れている。
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by flying-books | 2006-04-21 23:48 | BOOKS

「パリ季記」猫沢エミさん

昨日はパリ在住のシンガーソングライター猫沢エミさんの初エッセイ集「パリ季記」の出版記念ライブ@SPUMAに行ってきました。
猫沢さんとは出会ったのは2年ちょっと前。古本の買付け旅でパリを訪れた時に、ホワイトマンのイシコさんの紹介でお会いしました。猫沢さんのおすすめパレ・ド・トウキョウでおいしい食事とワイン。音楽だけでなく、映画や文筆、グラフィティの仕事までこなす猫沢さんとの話は尽きることなく、旅行先で終電を逃しそうになって走ったのはあれが初めてです。それ以来、帰国された際のライブには時々お邪魔していて、その年の暮にはFlying Booksでライブもしていただきました。
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送っていただいた本はちょうど今読書中。それまでの東京でのキャリアやポジションを置いて、単身パリに渡った猫沢さんのお話は、パリで日本人が生活していく為の知識やノウハウが詰まっているのはもちろん、何より「物事に向かう姿勢」を教えてもらいました。たぶんそれがどこの国だとしても核の部分は同じなのだと思います。久々によいエネルギーをいただきました。海外はもちろん、転職願望がある人や、進路のことで悩んでいる人には特にお薦めの一冊です。
パーカッション、キーボード&アコーディオン、ドラム、ウッドベース、ギターの編成で行われたライブは、これまでの楽曲はもちろんゲンズブールのカバーなど初めて聴く曲も。最後、ジーンズのCMで使われたエルザ「T'en va pas」は、美しく寂しげな旋律と歌声に思わず涙ぐみそうになりました。ラテン系のノリのいい曲から、しっとり歌い上げるラブソングまで、猫沢さんのライブはまるで一つの人生模様のようです。
f0024665_063657.jpg画像は会場のみで限定販売していたセルフカバーを含む新録音源「ALASKA」(アートワークも猫沢さん自身によるもの)。ライブでも活躍の円山天使さんのギターとパーカッションだけのしっとりしたアレンジが素敵です。個人的には田ノ岡三郎さんのアコーディオンとのデュオも聴いてみたい気もします。ライブではアッパーからバラードまで同じ楽器とは思えないアコーディオンの音色にやられてました。
PS:エルザのCDを借りてきましたが、「T'en va pas」は猫沢さんの方が何倍もいいです。猫沢さん、音源化待ってます!
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by flying-books | 2006-01-28 21:47 | BOOKS

雑誌、大量入荷しました!

日曜日に立体文学のイベントを無事終えたものの、先週末から今週にかけて本と雑誌の大量入荷が続き、忙殺中の日々を送ってます。
と、言うことで1000冊を超える大量の雑誌を入荷しました。
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写真は表紙がポール・スミスのTシャツにもなったイタリアの建築雑誌「domus」の60年代もの。今見ても斬新なカバーワークや、効果的な2色印刷ページなど、建築の雑誌とは思えないほどクールなエディトリアルが大好きです。(60年代ものは各1800円、やや難ありのものは半額の900円!)
他に、日本版エスクァイア、relax等がそれぞれ数百冊ずつ入荷しました。これは店頭や1Fの棚に入ってます。200円~とお買い得なので、お早めに。
Flying Booksは本を売るだけでなく、心地よい空間、音、(コーヒーの)香りの中で過ごす時間を提供したいと考えているので、今のところはネット通販の予定はありませんが、おすすめの新入荷等はこの場でお知らせさせていただければと思います。
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by flying-books | 2006-01-18 23:59 | BOOKS